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 miracle of wedding story

サプライズ、しませんか?

おふたりと出会ったのは約半年前・・・

ご親族様ととても仲のいいご友人数人とアットホームな披露宴を行いたい、というご希望でした。

おふたりは今年で交際10年を迎えるビッグカップル・・・
学生時代からの長年の交際を経て、ゴールインされました。
とても、結婚式の準備でも積極的に手作りなど頑張っておられた新婦様とちょっと面倒くさがりなご新郎様・・・

お打ち合わせの中でふと気になって訪ねました。
「おふたりのプロポーズってどんな感じだったのですか?」
本当に少し気になっただけでした。
ご新婦様は、少しの間をあけて「めっちゃ普通でした!」とどこかさみしげに笑顔でお話されます。
すぐにご新郎様は「そんなことないやろ!」と否定されていました。
そんな何気ない会話が、お打合せの間ずっと離れませんでした。

結婚式も近くなりほとんど打ち合わせは終わったころ。
花嫁が席を外されておりご新郎とふたりになることがありました。
今しかない・・・そう思って思い切ってある提案をしました。

「サプライズ、しませんか?」

内容はこうです、
新婦様へ10年越しの想いをしっかり伝えませんか?プロポーズ・・・リベンジしましょう!
・・・私の熱い想いとは裏腹に、反応は薄く、ご新郎様はノリ気ではない様子。
「10年も付き合って今更…でもまあ、考えておきます」
と、新郎様。つまり、答えはNO。

しかし、サプライズポロポーズは諦めきれませんでした。
ご新婦様はご結婚式を本当に楽しみにされておられました。
準備も本当に寝る間を惜しんでたくさん手作りしていらっしゃいました。
当然、このままでも最高の1日になるとわかっています。
でも、その最高の1日が、ご新郎様からのサプライズで「最高」の1日はもっと「最幸」の1日になると根拠のない自信が、私の心から離れませんでした。

花嫁には内緒でご新郎様へ説得のお電話。
やっと私の想いが伝わったのか、
「そんなに言うなら・・・」ということでサプライズ計画スタートです。

あまり人前で披露するのは・・・
一緒にすごく考え、ひらめいたのが・・・

「教会での挙式リハーサルでサプライズプロポーズを行いませんか?!
教会はおふたりが夫婦になる大切な場所です、その場所が もっと大切な場所になるはずです!」
「なるほど!でもスタッフの人もいてるでしょ?それは・・・」
「なら、おふたりきりにします!」
「そんなこと・・・できるんですか?」「やります!」

正直、賭けでした。リハーサルの時間は限られています。
無茶を承知の上です。それでも、そのサプライズを成功させるためにたくさんのスタッフの協力のもと、何度も何度も当日のスケジュールを考えました。
少しでも喜んでほしい一心で、花束も用意しました。

教会式では新郎様が先に入場します。
そこで一旦扉を閉めて、本来ならお父様とご入場・・・
しかし、花嫁の横にお父様はまだ来ていません。
「お時間少し早いですがリハーサルスタートしましょう」
この言葉を合図にサプライズ計画実行の時です。
扉の向こうには、緊張の中花束を持ってスタンバイした新郎。

スタッフは誰もいません。
(写真が大好きな花嫁でしたのでカメラマンだけ許可をもらいました)

扉が開いた瞬間、状況が読み込めなかった新婦様、
しかし次の瞬間、表情は一変。涙がとまりませんでした。

教会の中で、どんな言葉をかけられたのかは、私も知りません。
それでもこの写真を見れば、何も聞かなくてもわかります。

「最高」の1日が「最幸」の1日になった瞬間です。